建設リサイクル法

資源の有効な利用を確保する観点から、廃棄物について再資源化を行い、再び利用していくため、平成12年5月に「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」が制定されました。

対象建設工事

建設リサイクル法では、特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことを義務付けています。

「特定建設資材」とは、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートのことです。

「建設資材」とは、土木建築に関する工事に使用する資材をいいます(法2条1項)。

一定規模以上の工事とは
建築物解体工事
床面積80㎡以上

建築物とは

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする(建築基準法2条1項)。

床面積の判断方法

全部解体であれば延べ面積、一部解体であれば、解体する部分の床面積の合計になります(建築基準法施行令2条1項3号)。

建築物新築・増築工事
床面積500㎡以上
建築物修繕・模様替え(リフォーム等)
工事金額1億円以上(税込)
その他工作物に関する工事(土木工事等)
工事金額500万円以上(税込)

特定建設資材廃棄物が出ない場合でも、建築物等に特定建設資材を用いた(又は使用した)工事で、政令で定める一定規模以上の工事であれば対象建設工事となります。


工事の発注から実施の流れ

① 書面説明
対象建設工事の元請となろうとする者は、施主(発注者)に対し、建築物等の構造、工事着手の時期及び工程の概要、分別解体等の計画等について書面を交付して説明します。
② 契約
対象建設工事の契約書面においては、建設業法に定めるもののほか、分別解体等の方法、解体工事及び再資源化等に要する費用、再資源化等をするための施設の名称及び所在地の記載が必要です。
③ 届出
施主(発注者)又は自主施工者は、工事に着手する7日前までに、分別解体等の計画等について、知事(又は各市長)に届け出ます。
④ 変更命令
知事(又は各市長)は、届出に係る分別解体等の計画が施工方法に関する基準に適合しないと認めるときは、計画の変更等を命ずることができます。
⑤ 告知・契約
元請業者は、請け負った建設工事の全部又は一部を他の建設業者に下請けさせる場合は。元請業者は、下請負人に対し、知事(又は各市長)への届出事項を告知した上で契約を結びます。
⑥ 施工
・分別解体等、再資源化等の実施
・技術管理者による施工の管理
・現場における標識の刑事
⑦ 助言・勧告、命令
知事(又は各市長)は分別解体等の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該建設工事受注者(又は自主施工者)に対し、必要な助言・勧告、命令をすることができます。
 また、再資源化等に関しても知事は、その適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該建設工事受注者(又は自主施工者)に対し、必要な助言・勧告、命令をすることができます。
⑧ 書面による報告
元請業者は、再資源化等が完了したときは、その旨を施主(発注者)に書面で報告するとともに、再資源化等の実施状況に関する記録を作成、保存します。
⑨ 申告
⑧の報告を受けた施主(発注者)は、再資源化等が適正に行われなかったと認めるときは、知事(又は各市長)に対しその旨を申告し、適当な措置を求めることができます。

分別解体実施の手順

1 対象建築物等に関する調査の実施
特定建設資材に付着した物の有無、対象建築物の構造、周辺状況、作業場所、搬出経路、残存物品の有無等の調査を行います。
2 分別解体等の計画の作成
次の事項を内容とする計画を策定します。
  • 対象建築物等の構造
  • 対象建築物等に関する調査及び工事着手前に講じる措置
  • 工事の工程の順序及び工程ごとの作業内容と分別解体等の方法
  • 対象建築物等に用いられた建設資材の量の見込み、特定建設資材廃棄物の発注が見込まれる場所及び量の見込み
3 工事着手前に講じる措置の実施
特定建設資材に付着した物の除去等、作業場所及び搬出経路の確保等を図ります。
また、家具等の残存物品、特に家電リサイクル法の対象物について、発注者が事前に搬出を行ったか確認します。
4 工事の施工
 2で作成した分別解体等の計画に基づいて工事を施工します。
 工事は、技術上、安全管理上等の条件を踏まえ、必要に応じて手作業又は、手作業及び建設作業の併用により行います。

解体工事業登録制度