公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律

入札・契約の適正化のルールが平成12年に政府提案で法定された。

目的

 この法律は、国、特殊法人等及び地方公共団体が行う公共工事の入札及び契約について、その適正化の基本となるべき事項を定めるとともに、情報の公表、不正行為等に対する措置、適正な金額での契約の締結等のための措置及び施工体制の適正化の措置を講じ、併せて適正化指針の策定等の制度を整備すること等により、公共工事に対する国民の信頼の確保とこれを請け負う建設業の健全な発達を図ることを目的とする。

入札談合

定義

 この法律において「特殊法人等」とは、法律により直接に設立された法人若しくは特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第一項第九号の規定の適用を受けない法人を除く。)、特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。

・「公共工事」とは、国、特殊法人等又は地方公共団体が発注する建設工事

これらの発注者が発注した工事は、その下請工事も含めて公共工事と言われている。



基本原則

 公共工事の入札及び契約については、次に掲げるところにより、その適正化が図られなければならない。
一 入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性が確保されること。
二 入札に参加しようとし、又は契約の相手方になろうとする者の間の公正な競争が促進されること。
三 入札及び契約からの談合その他の不正行為の排除が徹底されること。
四 その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結が防止されること
五 契約された公共工事の適正な施工が確保されること。

すべての発注者に対する義務づけ措置

  • 毎年度の発注見通しの公表
     秘密にする必要のあるもの、予定価格が250万円を超えないものを除いて、毎年度4月1日、10月1日をめどに発注見通し(工事名、入札時期等)公表しなければならない。
  • 入札・契約に係る情報の公表
     発注者は、入札・契約の過程(入札参加者の資格、入札者、入札金額、落札者、落札金額等)及び契約の内容(相手方、契約金額等)を公表しなければならない。

不正行為等に対する措置

  • 発注者は、談合があると疑うにたる事実を認めた場合には、公正取引委員会に対して通知をしなければならない。
  • 発注者は、一括下請があると疑うに足る事実を認めた場合には、建設業許可行政庁等に対し通知をしなければならない。


施工体制の適正化

  • 公共工事においては、一括下請は全面禁止とする(12条)。
  • 受注者は、発注者に対し、施工体制台帳を提出しなければならない。発注者は、施工体制の状況を点検しなければならない。


適正化指針

  • 透明性の確保
    • 入札及び契約に係る情報は、すべて公表を基本とすること
    • 第三者の意見を適切に反映する方策
       入札及び契約手続きに関し、学識経験者等の第三者からなる入札監視委員会等の第三者機関等の設置等の方策を講ずること。当該期間は、発注者から入札・契約手続の運用状況について報告を受け、入札参加資格の設定・指名の経緯等に関する審議を行い、発注者に対する意見の具申を行うものとする。
  • 公正な競争の促進
    • 入札及び契約の方法の改善
       一般競争・受注者の意向を確認して行う公募型指名競争入札等を適切に実施し、地域要件については、過度に競争を制限することとならない運用とし、中小・中堅建設業者に対する受注機会の確保を図るとともに、JV制度を適切に活用し、談合等の不正行為やダンピング防止等の観点から、入札金額の内訳の提出を求めるように努め、積算を適正に行うとともに、歩切は厳に慎むこと。
    • 苦情処理システムの整備
       発注者が入札・契約の過程について適切に発明するとともに、更に不服のあるものについては、第三者機関による審議等中立・公正に不服を処理する方策を講ずること
  • 談合その他の不正行為の排除の徹底
    • 談合情報への適切な対応
       談合情報への対応要領の策定・公表を行うこと
    • 一括下請負等建設業法違反への適切な対応
       施工体制の把握に係る要領の策定・公表を行うこと
    • 捜査機関等との連携
       入札・契約に関する不正行為があるときは、警察本部等に通知するとともに、警察本部との情報交換等の緊密な連携を図ること
    • ペナルティの厳正な運用
      • 指名停止基準を策定・公表し、指名停止の相手方の名称、期間、理由等を公表すること
      • 談合による損害額の認定が可能な場合には、損害賠償の請求を行うよう努めること
    • 談合への発注者の関与の防止
       入札及び契約の手続きの透明性の向上により、不正行為の起こりにくい環境を整備すること
  • 公共工事の適正な施工の確保
    • 公共工事の施工状況の評価
       発注者は、工事成績評定を行うように努め、あらかじめ要領を策定・公表すること。また、工事成績評定の結果を受注者に対し、通知するとともに、公表すること。
       工事成績評定に対する苦情については、発注者が適切に説明するとともに、さらに不服のある者については、第三者機関による審議等中立・公正に処理する方策を講ずること
    • ダンピングの防止
       低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の活用によりダンピング受注を排除すること。低入札価格調査については、調査結果の概要を公表すること
    • 施工体制の把握の徹底等
       公共工事の品質確保の観点から、監督及び検査についての基準を策定・公表するとともに、現場の施工体制を的確に把握するための要領の策定等により監督を実施すること。また、施工体制台帳の活用等により、元請下請を含めた適正な施工体制が確保さえるよう指導すること
  • その他入札契約の適正化の促進
    • 不良・不適格業者の排除
       ペーパーカンパニー等の不良・不適格業者を排除するために、入札・工事施工等各段階における発注者支援データベースの活用による監理技術者の専任制の確認、工事施工前の監理技術者資格者証の確認、立ち入り点検による監理技術者の専任状況の確認等を行うこと
    • ISOの活用に関すること
       ISO9000シリーズの認証取得の促進を図ること
    • IT化の推進に関すること
      • IT化の推進による業務運営の効率化、競争性の向上等を図ること
      • 情報の公表にインターネット等を活用すること
      • 図書の簡素化や資格審査等の手続きの統一化に努めること
    • 発注者相互の連絡、協調体制の強化
       公共工事の発注者相互の連絡、協調体制の一層の強化を図ること

入札・契約適正化法の実施状況

公共工事入札・契約適正化法の規定の大半は平成13年度から実施された。平成12年度末に中央省庁の再編が行われ、この法の運用は、建設省から国土交通省に引き継がれた。

国土交通省、総務省及び財務省は、同法の規定に従い、各発注者が適正化指針に従って当該年度に講じた措置の状況をとりまとめて公表している。

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