経営事項審査制度の概要

経営事項審査とは

経営事項審査とは

経営事項審査とは、公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です(建設業法27条の23)。

対象となる公共工事

発注者が次のいずれかである施設又は工作物に関する建設工事で、工事1件の請負代金の額が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)のもの

  • 地方公共団体
  • 法人税法別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体は除く)
  • 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法第2条第1項に規定する東京湾横断道路建設事業者
  • 新関⻄国際空港株式会社、首都高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、成田国際空港株式会社、⻄日本高速道路株式会社、中間貯蔵・環境安全事業株式会社、阪神高速道路株式会社、東日本高速道路株式会社並びに本州四国連絡高速道路株式会社
  • 特別な法律により特別の設立行為をもって設立された法人
  • 公益財団法人JKA、国立研究開発法人科学技術振興機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、国立研究開発法人理化学研究所、消防団員等公務災害補償等共済基金、地方競馬全国協会、東京地下鉄株式会社、独立行政法人環境再生保全機構、独立行政法人勤労者退職金共済機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、独立行政法人農業者年金基金、日本私立学校振興・共済事業団、日本たばこ産業株式会社、日本電信電話株式会社等に関する法律第一条第一項に規定する会社及び同条第二項に規定する地域会社、農林漁業団体職員共済組合並びに旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第一条第三項に規定する会社

ただし、次の設工事については、対象から除かれます。

  • 堤防の欠壊、道路の埋没、電気設備の故障その他施設又は工作物の破壊、埋没等で、これを放置するときは、著しい被害を生ずるおそれのあるものによって必要を生じた応急の建設工事
  • a.に掲げるもののほか、経営事項審査を受けていない建設業者が発注者から直接請け負うことについて緊急の必要その他やむを得ない事情があるものとして国土交通大臣が指定する建設工事

公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされています。この資格審査にあたっては、欠格要件に該当しないかを審査した上で、「客観的事項」と「発注者別評価」の審査結果を点数化(総合点数)して、各付けが行われています。このうちの「客観的事項」に当たるのが「経営事項審査」です。

経営事項審査は、どの発注機関が行っても同一の結果となるべきものですので、特定の第三者が統一的に一定基準に基づいて審査を行うことが効率的ですし、また、審査自体が建設業行政とも密接に関連していることから、建設業法により建設業許可に係る許可行政庁が審査を実施することとされています。

審査基準日

原則として申請日直近の事業年度の終了日(決算日)を基準として各項目について評価を行います。事業年度の終了日(決算日)を審査基準日といいます。申請時に既に新しい審査基準日を迎えている場合、従前の審査基準日では審査を受けることはできません。

有効期間(公共工事を請け負うことのできる期間)

国、地方公共団体等と請負契約を締結することができる期間は、経営事項審査を受けて結果通知書を受領した後、その経営事項審査の審査基準日から1年7か月の間に限られています。

したがって、毎年公共工事を国、地方公共団体等から直接請け負おうとする場合は、有効期間が切れ目なく継続するよう、毎年決算後速やかに(決算後3,4か月以内を目安に)経営事項審査を受ける必要があります。また、申請するにあたり、事前に建設業許可に係る決算の変更届出書の提出を必ず行ってください。

前年度に経営事項審査を受けていても、次の年度に申請するのが遅くなると、前年度の経営事項審査の有効期間が経過するまでに次の年度の経営事項審査の結果通知書を受領することができません。この場合、有効な経審結果を有しないことから公共工事の発注者と請負契約を締結することができなくなります。

経営事項審査の仕組み

経営事項審査には、建設業者の経営状況を評価する経営状況分析(Y)と経営規模、技術的能力、その他の客観的事項を評価する経営規模等評価(経営規模…X,技術力…Z,社会性等…W)があり、客観的事項の審査は、建設業法、同法施行令、同法施工規則及び告示、通達により審査の基準が定められています。

国土交通大臣又は都道府県知事は、「経営規模等評価」の申請をした建設業者から請求があった場合には、「経営状況分析」の結果に係る数値と「経営規模等評価」の結果に係る数値を用いて、客観的事項の全体についての評定結果に係る数値を通知しなければならないとされています。この客観的事項全体に係る数値を「総合評定値」(P)と言います。

経営状況分析結果(Y)+経営規模等評価結果(X・Z・W)=総合評定値(P)

総合評定値(P)の算出方法等

客観的事項全体に係る数値である「総合評定値」(P)の算式、及び各審査項目ごとのウェイト等は、以下のようになっています。

項目 評価項目 係数
X1 工事種類別年間平均完工高 0.25
X2 自己資本額及び平均利益額 0.15
Y 経営状況分析評点 0.2
Z 技術力評点(技術職員数/工事種類別年間平均元請完工高) 0.25(0.2/0.05)
W その他審査項目(社会性等) 0.15

総合評定値(P)=0.25(X1)+0.15(X2)+0.2(Y)+0.25(Z)+0.15(W)

→  審査項目及び基準の概要

神奈川県を始め、国やほかの地方公共団体等が行う多くの公共工事の入札参加資格審査においては、総合評定値を有していることが入札参加資格審査の条件となります。

→ 申請に必要な書類


経営事項審査を申請できる業種について

経営事項審査を申請できる業種は、経営事項審査申請時において建設業許可を有している業種です。

また、経営事項審査申請後に、建設業許可の業種追加を行った業種についても経営事項審査を申請することができます。

→ 完成工事高及び元請完成工事高の積み上げ(加算)について


結果通知書について

審査期間

経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書は、知事許可については、申請してから通常1か月程度で神奈川県から郵送されます。ただし、申請内容に不備があった場合はこの限りではありません。
→ 決算日より5か月後に経審の結果が手に入る

結果の公表

経営事項審査結果は、公共工事入札参加希望者選定手続きの透明性の一層の向上による公正さの確保、企業情報の開示や相互監視による虚偽申請の抑止力の活用といった観点から、公表を行っています。

公表している内容は、申請した建設業者本人に通知された内容と同様、総合評定値及び完成工事高等の審査項目ごとの数値・評点とし、経営事項審査の結果通知書の写しとなっています。

公表及び閲覧は、(一財)建設業情報管理センターに委託されており、同センターのホームページで閲覧できます。

場所 内容 方法
各地方整備局 国土交通大臣許可業者
(各地方整備局所管業者)
閲覧
各都道府県 各都道府県知事許可業者 閲覧
(一財)建設業情報管理センター 全業者 閲覧、コピー
インターネット

虚偽記載について

経営事項審査の申請書に虚偽の記載をして提出した者は、建設業法28条に基づき監督処分の対象になります。

また、場合によっては法50条に基づき懲役、罰金等の刑事罰に処せられます


経審制度の歴史

このエントリーをはてなブックマークに追加