誠実性(建設業法7条3号、15条1号)

法人である場合においては、当該法人またはその役員等若しくは政令で定める使用人(支店長・営業所長)、個人である場合においてはその者又は支配人が、請負契約に関し、「不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」でないことが要件となります。
 上記の者が建築士法・宅地建物取引業法等で「不正」又は「不誠実な行為」を行ったことにより免許等の取消処分を受け、その最終処分の日から5年を経過しない者である場合は、許可を受けることはできません。


用語の説明

  • 「役員等」とは、取締役、執行役、持分会社の業務を執行する社員及び組合の理事の他に、相談役、顧問、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者(個人に限る)及び名称役職を問わず取締役と同等以上の支配力を有する者をいいます。
  • 「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行に際して、詐欺・脅迫・横領等法律に違反する行為をいいます。
  • 「不誠実な行為」とは、工事内容・工期等について請負契約に違反する行為をいいます。
  • 「不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者」とは、過去の一定期間内において、建設業又は建設業に類似する営業等に関し、不正な行為又は不誠実な行為を作った経歴があり、今後もそのような行為を繰り返すおそれが明らかに認められる者

本条の射程

この基準は、許可申請の審査の際の判断基準であるので、許可を受けた建設業者が許可の有効期間中にこの要件に適合しない過去の事実が判明するに至った場合においても、それが許可申請書又はその添付書類に神聖な記載がなされていなかったことにより不正な手段により許可を受けたとされるときを除き、許可の取消しはできない(29条1項1号)。

29条1項6号に該当することにより許可の取消しを受けその取消しの日から5年を経過しない者、29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者等は、8条の規定によりこれらの期間中は許可を受けることができないが、これらの期間が経過した後においても、なおかつ不正又は不誠実な行為を行うことが明らかなとき、たとえばこれらの期間が経過した後においても悪質な行為を行っている場合は、この要件に適合しないと判断することは差し支えない。

裁判例

事案

建設業許可の要件を満たしていないのにこれを看過して知事が建設業の許可をしたために、許可を受けたAが瑕疵ある工事をして損害を与えたとして、Aに住宅の建設を注文した者が、県に損害賠償請求をした。

争点

過去に軽微な違法行為を行った者の誠実性

判旨

誠実性要件は、申請書及びその添付書類の記載やそれまでに判明した事実から、当該申請者につき不正又は不誠実な行為を行うおそれがあると疑うに足りる明らかな事情が見当たらない限り許可を与えるというのが法の趣旨である。

Aは過去に許可なく建築面積150㎡をこえる工事をしたなどの法に反する行為があったものの、同工事の建築面積は155.1㎡であって、法の定める面積をわずかに超えるものにすぎず、これによって実害が生じた事実もうかがわれず、Aはその非を認めて始末書を提出していることから、不正又は不誠実な行為を行うおそれがあると疑うに足りる明らかな事情があったとは認めがたい。

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