原本証明とは
原本証明とは、原本そのものを提出することができない場合に、原本をコピーし、その余白に原本と相違ない旨の証明をすることをいいます。建設業許可申請でも原本提示が必要な場合に、これを利用することがあります。記載は以下のようなものです。
「この写しは原本と相違ありません。
平成〇年〇月〇日
株式会社 〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 ㊞」
証明すべき書類が一枚の場合はこれで終わりなのですが、複数枚の場合、すべてのページに上記記載をするのは大変です。そこで、ページの間に割印をすることで認められる場合や、袋とじをすることで認められる場合があります。
割印とは
割印とは、同じ文面の文書を2つ以上作成したとき、その文書が関連のあるもの、または同一のものであるということを証明するための印です。これと似た用語として「契印」があります。契約書が2枚以上にわたる場合に、1つの文書であることを証明するために、両ページにまたがって押す印のことを契印といいます。
実務的にはどちらも「割印」と呼ばれることが多く、原本証明で求められているのは「契印」の方です。
袋とじとは
複数葉の紙からなる契約書や定款を綴じたものを、慣用的に「袋とじ」と呼びます。原本証明での「袋とじ」は契印の一種です。袋とじのやり方に関しては、提出先(提示先)が指示している場合があり、神奈川県の建設業許可申請の場合は特に言及していませんが、上下もきちんと綴じたものにした方が無難でしょう。
神奈川県の取扱い
神奈川県では、平成30年4月2日申請分から電子申告した確定申告書について、原本証明をして提示することを求めています(割印、袋とじ可)。法人の確定申告書はかなりの枚数になりますので、すべてのページに上記記載をしていたのでは大変です。だから割印や袋とじが認められたのでしょう。
原本証明が必要な場合
・ 財務諸表と照合する場合
・ 経管、専技の経験や常勤の確認資料とする場合
(一般許可の申請者が財産的基礎を確定申告書で証明しようとする場合も同様)
なぜこのような取扱いになったかというと、電子データはデータそのものが原本という考えに基づくようです。そして、許可要件を満たすために不正なデータで申請しようとした者がいたようです。