JV制度
法的性格
共同企業体(ジョイント・ベンチャー)は、一つの建設工事を複数の建設業者が共同で受注・施工する事業組織体であり、その法的性格法人格のない団体であり、民法上の組合です。
権利主体性
共同企業体として行った法律行為の権利義務は、原則として各構成員に帰属します。しかし、共同企業体が建設工事の完成という目的を達成するために行う法律行為すべてが、常に全構成員の表示がないと共同企業体としての権利義務にならないのでは、実務上不便な場合があります。
法人格を有する団体は俗人的な権利を除き、すべての面で権利主体性が認められています。
形態
1 特定型と経常型
- 特定建設工事業同企業体(特定JV)
- 大規模かつ技術的難度の高い工事の施工に際して、技術力等を集結することにより工事の安定的施工を確保する場合等工事の規模・性格等に照らし、共同企業体による施工が必要と認められる場合に工事ごとに結成する共同企業体
- 経常建設共同企業体(経常JV)
- 中小・中堅建設業者が、継続的な協業関係を確保することによりその経営力・施工力を強化する目的で結成する共同企業体
2 甲型と乙型
甲型共同企業体 | 乙型共同企業体 | |
---|---|---|
方式 | 共同施工方式 | 分担施工方式 |
構成員の施工 | 出資比率に応じて一体となって施工する | 自分の分担工事を施工する |
共通経費の負担 | 出資比率に応じて負担 | 分担工事額の割合に応じて負担 |
費用計算 | 一体となって行う | 各自の分担工事ごとに行う |
利益(欠損)金の分配 | 出資比率に応じて分配 | 自分の分担工事ごとに費用計算する |
施工責任 | 構成員は工事全体について責任を負う | 構成員は、まず自分の分担工事について責任を負うが、最終的には工事全体について連帯責任を負う |
経審の取扱い(完成工事高)
共同企業体による実績の個別企業への反映について
共同企業体により施工した工事については、次により算出した額を各構成員の完成工事高として取り扱うものとする。
(1) 甲型共同企業体の場合
請負代金額に各構成員の出資の割合を乗じた額
(2) 乙型共同企業体の場合
運営委員会で定めた各構成員の分担工事額
共同企業体により施工した工事について工事の評価を行う場合において、それを工事全体につき評価するときは、甲型共同企業体、乙型共同企業体いずれの場合も、それをもって当該共同企業体構成員各自の工事評価として取り扱い得るものとする。
共同企業体の事務取扱いについて(昭和53年3月20日建設省計振第11号)
共同企業体制度(JV)「国土交通省ホームページ」