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社会保険加入が建設業許可要件になると言うけれど

社会保険加入が建設業の許可要件になります!

と色んな所に書いてあるけれど、実際のところ法律はどう変わるのか調べてみました。

令和2年10月1日から施行される改正された建設業法の話です。

ちなみに、社会保険加入が許可の要件となるのは、加入義務のある事業者の場合です。

法律にはそんなこと書いていない!

いや、ヒントは書かれてました(改正後の建設業法7条1号)。

しかし、その解釈が省令にぶん投げられてて、社会保険のことはその省令に書かれるようです。省令を探してみると、

省令が見つからない!

省令案の概要は見つかりました(出典:e-Govウェブサイト(://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000202101))。省令を作る前にパブリックコメントでみんなに意見を募集するものに添付されていました。

たぶん、このまま省令になるんだろうなと思いつつ、10月1日施行で、これを書いてる時点(8月8日)でこの状態で大丈夫なのだろうか。

よくよく調べてみると、改正される建設業法には附則というものがついていて、それには「従前の許可の効力には影響しないよ」と書かれていました(令和元年法律第30号の附則2条2項)。

要するに、10月から許可申請(更新を含む)をする場合に適用されるもので、既に許可を持っている(社会保険加入義務のある)建設業者が社会保険に加入しないまま10月に突入したからといって許可取り消しになるようなものではないようです。

それでも、もう施行まで2か月を切っているのだから、早めに形にしてアナウンスしていただきたいものです。

今回分かったこと

  • 社会保険加入は建設業法を受けた建設業法施行規則に規定が設けられる。
  • 従前の許可の効力(申請中を含む)には影響しない。
  • 10月以降に建設業許可の申請(更新を含む)をする場合に適用される。

雑文失礼いたしました。

未成工事支出金をちゃんと計上していますか?

みなさんは、未成工事支出金という勘定科目をご存知でしょうか?

毎年の決算変更届で添付する財務諸表の流動資産というところに書かれた勘定科目です。

建設業に関わる仕事をしていると、毎年ここに金額の記載がない財務諸表を見ることがあります。

 

ここに金額がないということはどういう状態かというと、

  1. 期末において、費用のかかった施工中の工事がない。
  2. 工事進行基準を採用しており、未成工事支出金勘定を完成工事原価勘定に振り替えている。

という状態になります。

 

ⅱの場合は、そういう会計処理の仕方なので問題ないのですが(工事進行基準を採用しているか否かは財務諸表で確認できます)、

ⅰの場合は、たまたま期末に施工中の工事がなかったという場合なので、

施工中の工事はあるけど、未成工事支出金の計上がない

場合は、未成工事支出金の計上漏れとなります。

 

また、「たまたま」が毎年続くと、

この建設業者は、本当に建設業の会計処理をしているのか?

と疑われることもあるでしょう。

 

もちろん、施工中の工事に費用が生じなければ未成工事支出金に記載する金額もありませんが、

何らかの作業を始めたのであれば、少なくとも人件費は発生しているはずです。

 

建設業の完成工事原価には、材料費、労務費、外注費、経費があります。これらは消費されたら未成工事支出金勘定に振り替える必要があります。

最初から原価になる訳ではないということです。

というのも、建設業の会計では現場ごとに費用と売上を計上するのが基本なので、すべてをごっちゃにすることはできないのです。

未成工事支出金勘定は工事が完成した後、完成工事原価勘定に振り替えられ、その内訳を記載したものが完成工事原価報告書となります。

まだ完成していないものの費用については、未成工事支出金勘定のまま流動資産として、翌期に繰り越すことになります。

毎年、未成工事支出金の計上がない財務諸表は、このような過程を省略しているものと思われます。

 

なぜこのような「省略」が起きるかというと、現場ごとの費用を把握することが難しいからでしょう。

例えば1か月の間に現場を複数受け持つような場合は、それぞれの現場で消費した費用を別々に計算しなければなりません。

社長が一人で切り盛りしている建設業者の場合は、そこまで手が回らないことが多いのかもしれません。

 

また、会計を専門家に委ねているのにも関わらず、そのような「省略」が起こることも散見されます。

こちらの場合は、外部から把握することの難しさというのがあるでしょう。

ただ、それが期末に起こり計上漏れにまで達してしまうと「把握が難しいから」では済みません。

 

未成工事の費用を完成工事原価に含めることで、売上に対応しない費用を計上してしまうことになります。

ちなみに、出来高払いは売上ではありません

請負契約は仕事の完成を目的とするので、仕事の完成前に受け取った金額は前受金になります。

出来高払いで前受金を受け取っていた場合は、工事完成後に売上に振り替えます。

未成工事の売上を計上するには、工事進行基準を採用する方法があります。

工事進行基準でも進捗度に基づく詳細な計算をするので、やはり出来高払いがそのまま売上とはなりません。

 

建設業会計は、以上のような特殊性を持っています。

税務調査で未成工事支出金の未計上が指摘された事案もあります。

建設業者の皆様におかれましては、適切な会計処理を行い、それが難しい場合は建設業会計の知識のある専門家にご相談されることをお勧めいたします。

軽微な工事に主任技術者は必要?

建設業法26条1項では、建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、主任技術者を置くことを義務付けています。ここで言う「建設業者」とは、許可を受けて建設業を営む者を言います(法2条3項)。法26条1項では、主任技術者を置くべき建設工事を限定していないため、建設業者が許可の適用除外となる軽微な建設工事(法3条1項ただし書・令1条の2)を施工する場合においても主任技術者を置く必要があるように読めます。軽微な建設工事は、許可業種の場合と、それ以外の場合があり、いずれの場合も主任技術者を配置する必要があるかを考えてみます。

この点、法26条の2では軽微な建設工事を除外していることを考えると、同じ趣旨目的を持つであろう法26条1項も軽微な建設工事については適用を除外していると考えることができます。さらに、法1条の目的でもある発注者保護の観点から見ると、法26条1項が「建設業を営む者」ではなく「建設業者」としているのは、建設業許可の対象となる請負契約に関する工事についてのみ主任技術者を配置することを求めていると考えることができます。特に、許可を得ていない工事業種の場合は、主任技術者の要件を満たす者は専任技術者にもなれるので、その人材がいるならその業種の許可を得ていると考えるのが自然であり、主任技術者を新たに用意することまで法が要求しているとは考えにくいと言えます。

一方で、主任技術者を一律に配置することは許可を得た者の責務であるとも考えられます。また、建設工事の施工は、工事現場における技術上の管理をつかさどる主任技術者を欠いて施工することは不可能であり、法の規定する技術者の資格の水準がいわば最低条件を求めていること、法26条の2が一人は主任技術者を配置することが前提になっていることを考えると、軽微な建設工事の施工についても主任技術者の配置は必要と考えることもできます。また、法1条は建設工事の適正な施工の確保や建設業の健全な発達の促進も目的としており、その観点から言っても主任技術者を配置することが必要であると考えられます。

私の考える結論としては、法律上は主任技術者を置くべき建設工事に限定がされていないので、軽微な建設工事についても主任技術者を置く必要があると考えます。しかし、許可を得ていない工事業種に関しては、主任技術者の確保が難しく、許可を持っていない場合は適法に施工できるのに許可を持ったことで違法になるのは発注者の保護を超えた施工者の責務と言えるので、主任技術者を置く必要はないと考えます。

建設業法及び入札契約適正化法の改正概要

 令和元年6月5日、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、同月12日に公布された。本法律は、公布日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしている。ただし、以下の2(4)技術検定制度の見直しについては、公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしている。

 以下に本改正の概要を記載する。

1 建設業の働き方改革の促進

(1) 工期に関する基準の作成等(建設業法34条関係)

 中央建設業審議会が建設工事の工期に関する基準を作成し、その実施を勧告できることとした。

(2)  著しく短い工期の禁止(建設業法19条の5及び19条の6関係)

  • 建設工事の注文者は、通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならないこととした。
  • 国土交通大臣等は、著しく短い期間を工期とする請負契約の締結禁止に違反した建設工事の発注者に対し、必要な勧告をすることができることとし、勧告に従わなかったときは、その旨を公表できることとした。

(3) 建設工事の工期の見積り(建設業法20条関係)

 建設業者は請負契約を締結するに際して、工事の工程ごとの作業及びその準備に必要な日数を明らかにして、建設工事の見積もりを行うよう努めなければならないこととした。

(4) 入札契約適正化指針の記載事項の追加(入契法17条関係)

 公共工事の入札及び契約の適正化に係る指針の記載事項として、公共工事の施工に必要な工期の確保及び地域における公共工事の施工の時期の平準化を図るための方策に関する事項を追加した。

(5) 受注者の違反行為に関する事実の通知(入契法11条関係)

 各省各庁の長等は、公共工事の受注者である建設業者が著しく短い期間を工期とする下請契約を締結していると疑うに足りる事実があるときは、当該建設業者の許可行政庁に対し、その事実を通知しなければならないこととした。

(6) 請負契約における書面の記載事項の追加(建設業法19条関係)

 建設工事の請負契約の締結に際して書面に記載する事項に「工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容」を追加することとした。

(7) 工期等に影響を及ぼす事象に関する情報提供(建設業法20条の2関係)

 建設工事の注文者は、契約を締結するまでに、建設業者に対して、工期又は請負代金の額に影響を及ぼす事象の発生のおそれがあると認めるときは、その情報を提供しなければならないこととした。。

(8) 下請代金の支払方法(建設業法24条の3関係)

 元請負人は、下請代金の労務費相当分は、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならないこととした。

2 建設現場の生産性の向上

(1) 建設工事従事者の知識及び技術又は技能の向上(建設業法25条の27関係)

 建設工事に従事する者は、建設工事を適正に実施するために必要な知識及び技術又は技能の向上に努めなければならないこととした。

(2) 監理技術者の専任義務の緩和(建設業法26条関係)

 特定の専門工事につき、一定の要件を満たす場合、元請負人が工事現場に専任で置く主任技術者が、下請負人が置くべき主任技術者の職務を併せて行うことができることとし、この場合において、当該下請負人は、主任技術者の配置を要しないこととした。この場合において、あらかじめ注文者の承諾を得た上で、元請負人と下請負人が合意する必要があることとし、また、元請負人は1年以上の指導監督的な実務経験を有する主任技術者を専任で配置しなければならないこととした。当該下請負人は、その下請負に係る建設工事を他人に請け負わせてはならないこととした。

(4) 技術検定制度の見直し(建設業法27条関係)

 技術検定を第一次検定及び第二次検定に再編した上で、それぞれの検定の合格者は政令で定める称号を称することができることとした。

(5) 建設資材製造業者等に対する勧告及び命令等(建設業法41条の2関係)

  1.  国土交通大臣等は、建設業者等に指示をする場合において、当該指示に係る違反行為が建設資材に起因するものであると認めれ、かつ、当該建設業者等に対する指示のみによっては当該違反行為の再発を防止することが困難であると認めるときは、これを引き渡した建設資材製造業者等に対して再発防止を図るため適当な措置をとるべきことを勧告できることとした。
  2.  国土交通大臣等は、勧告を受けた建設資材製造業者等が当該勧告に従わないときは、その旨を公表し、又は正当な理由がなくて当該勧告に係る措置をとらない場合において、建設工事の適正な施工の確保が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該建設資材製造業者等に対して、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとした。
  3.  ⅰ及びⅱの実効性を確保するため、国土交通大臣等は建設資材製造業者等に対して、報告徴収及び立入検査できることとした。

3 持続可能な事業環境の確保

(1) 建設業の許可の基準の見直し(建設業法7条関係)

 建設業の許可の基準のうち、許可を受けようとする建設業に関し5年の経営業務の管理責任者としての経験を有する者等を役員等として配置することとしている要件について、見直しを行った。これまでは個人の経験により担保していた経営の適正性を、建設業者の体制により担保することとし、建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者として国土交通省令で定める基準に適合する者であることと改めた。

(2) 承継規定の整備(建設業法17条の2・17条の3関係)

 建設業の全部を譲渡、合併、分割する場合において、事前に国土交通大臣等の認可を受けることで、事業の承継の日にこの法律の規定による建設業者としての地位を承継することとした。また、建設業者が死亡した場合においても、死亡後30日以内に申請し、認可を受けることで、相続人は被相続人の建設業者としての地位を承継することとした。

(3) 不利益な取扱いの禁止(建設業法24条の5関係)

 元請負人は、その違反行為について下請負人が国土交通大臣等に通報したことを理由として、不利益な取扱いをしてはならないこととした。

(4) 建設業者団体の責務(建設業法27条の40関係)

 建設業者団体は、災害が発生した場合において復旧工事の円滑かつ迅速な実施が図られるよう必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととした。

(5) 標識の掲示義務の緩和(建設業法40条関係)

 発注者から直接請け負った工事のみを対象とすることとした。

主任技術者に証明は必要?

 許可を受けた建設業者がその請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し、当該建設工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(主任技術者)を置かなければなりません。

 また、発注者から直接建設工事を請け負った(元請)特定建設業者は、下請代金の総額が4,000万円(ただし建築一式工事にあっては6,000万円)以上になる場合、当該建設工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(監理技術者)をおかなければなりません。

 主任技術者の要件は、一般建設業の専任技術者と同じで、監理技術者の要件は特定建設業の専任技術者と同じです。

 さて、専任技術者は許可の申請時に、その資格や経験を証明する必要があるのですが、主任技術者や監理技術者については証明する必要はないのでしょうか。


 この点、建設業法施行規則様式第11号の2では、専任技術者以外の技術者のうち、次のⅰ~ⅳに該当する者について記入することを求めています。

  1. 一般建設業の国家資格者等
  2. 特定建設業の国家資格者
  3. 特定建設業で指導監督的実務経験を有する者
  4. 特定建設業で大臣特別認定者

 一方、一般建設業の専任技術者は、

  1. 所定学科卒業後、申請業種について大卒で3年以上、高卒で5年以上の実務経験を有する場合
  2. 申請する業種について10年以上の実務経験を有する場合
  3. 国家資格等を有する場合

が要件となり、特定建設業の専任技術者は、

  1. 許可を受けようとする建設業の種類に応じて国土交通大臣が定めた試験に合格した者、又は建設業の種類に応じて国土交通大臣が定めた免許を受けた者
  2. 一般建設業の専任技術者の要件を満たし、更に元請けとして、4,500万円(H6.12.28前は3,000万円、S59.10.1前は1,500万円)以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験を有する場合
  3. 国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者

が要件となります。

 以上のことから、一般建設業の専任技術者要件のa及びbに該当する主任技術者ついては、証明は不要となります。一方で、c,α,β,γに該当する主任技術者及び監理技術者については、様式11号の2の書類に記載する必要があります。

 神奈川県では、様式11号の2に記載した者について、国家資格者等の有資格区分に応じて、資格者証写し、卒業証明書(卒業証書写し)、実務経験証明書、指導監督的実務経験証明書の添付が求められています。なお、これらの証明書は、監理技術者証明書の写しをもって代えることができます。一方で、常勤性確認資料、実務経験の確認資料の添付は不要とされています。

 結論としては、専任技術者と同レベルの証明は要しないが、資格者・監理技術者に関してはそれを証明する必要があるということになります。

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