26条の4(主任技術者及び監理技術者の職務等)
- 主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
- 工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者又は監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならない。
監理技術者等の職務は、建設業法において、監理技術者、主任技術者の区別なく示されているが、元請の監理技術者等の職務と下請の主任技術者の職務に大きく二分して下表のとおり整理する。これを踏まえ、元請の監理技術者等及び下請の主任技術者は職務を誠実に行わなければならない。
元請の監理技術者等 | 下請の主任技術者 | |
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役割 | 請け負った建設工事全体の統括的施工管理 | 請け負った範囲の建設工事の施工管理 |
施工計画の作成 |
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工程管理 |
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品質管理 | 請け負った建設工事全体に関する下請からの施工報告の確認、必要に応じた立ち合い確認、事後確認等の実地の確認 |
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技術的指導 |
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※ 非専任の場合には、毎日行う会議等への坂は要しないが、要所の工程会議等には参加し、工程管理を行うことが求められる。
- 上記の職務の他に、関係法令に基づく職務を監理技術者等が行う場合には、適切にその職務を遂行する必要がある。特に安全管理については、労働安全衛生法に基づき統括安全衛生責任者等を設置する必要があるが、監理技術者等が兼ねる場合には、適切に行う必要がある。
- 建設工事の目的物の一部を構成する工場製品の品質管理について、請負契約により調達したものだけでなく、売買契約(購入)により調達したものであっても、品質に関する責任は、工場製品を製造する企業だけでなく、工場へ注文した下請(又は元請)やその上位の下請、元請にも生ずる。このため、当該工場製品を工場へ注文した下請(又は元請)やその上位の下請、元請の主任技術者等は、工場での工程についても合理的な方法で品質管理を行うことが基本であり、主要な工程の立会い確認や規格品及び認定品に関する品質証明書類の確認などの適宜合理的な方法による品質管理を行う必要がある。
- 大規模な工事現場等については、管理技術者に求められる役割を一人の監理技術者が直接こなすことは困難であり、良好な施工を確保するためにも、監理技術者を補佐する他の技術者を同じ建設業者に所属する技術者の中から配置することが望ましい。ただし、そのような場合も、これらの技術者はあくまでも監理技術者を補佐する立場の者であり、一つの工事現場において総括的な立場として一人の監理技術者に情報集約し、監理技術者はこれらの他の技術者の職務を総合的に掌握するとともに指導監督する必要がある、この場合において、適正な施工を確保する観点から、個々の技術者の職務分担を明確にしておく必要があり、発注者から請求があった場合は、その職務分担等について、発注者に説明することが重要である。