公共土木工事の事務手順

入札~契約

公共工事入札参加申請登録
入札公告
 入札公告を確認し、入札条件を確認したり、設計図書、特記仕様書などを確認します。電子入札は現在すべての都道府県で実施されています。
設計図書閲覧
 設計図書は県の入札ページからダウンロードすることができます。図面等一部未掲載の場合は発注事務所へ出向いて書類を閲覧します。
積算(札入)
 公表されている設計図書には、単価も金額も記載されていません。入札を希望する会社は、積算ソフトを使用したり、過去の近似案件を調べるなどして、発注者が計算した工事金額を積算します。
入札価格の決定
 積算により、工事の予定価格が計算出来たら、実際にいくらで入札参加するかを決定します。低すぎれば失格基準になり、高すぎれば自社よりも安い価格を入れた会社に落札されてしまいます。
入札
 自社の入札価格が決定したら、入札書を提出します。失格基準以上で他社より安い価格で札入れしていれば落札となります。総合評価方式の場合は価格以外の点数(技術者、ISOの有無など)も含めた総合点で落札者を決定するため、入札額の高い業者でも逆転することがあります。
契約の締結
落札決定後5日以内に工事契約を締結する。
書類:公共工事請負契約書
工事請負契約約款について
現場代理人、主任技術者等の通知
現場代理人、主任技術者等を定め通知します。
書類:現場代理人等通知書、主任技術者設置届
請負代金内訳書及び工事工程表の提出
契約約款第3条に定めた場合、契約締結後5日以内に次のものを作成し、提出する。
  • 各工種ごとに施工時期を明示した工程表
  • 各工種ごとの費用を明示した内訳書(発注者が求める工事のみ)
設計図書等の不一致
  • 工事設計書
     工事金額のすべてがこの設計書から成り立っています。内訳に工種や、数量に変更が生じた場合は設計変更の対象となる場合があります。
  • 特記仕様書
     現場の施工条件や現場の制限等共通仕様書にないものが書かれています(交通誘導員配置や規制時間等)
  • 平面図
     現場の起終点の位置や、施工条件で現場に支障があるかどうか、図面と差異がないか確認
  • 構造図
     構造図(断面図)の厚さ等を確認し、工事設計書の内容と差異がないか確認

施行前準備

下請負人の通知
 契約約款第7条に基づき、下請契約がある場合は、その金額にかかわらず発注者へ報告する。下請人の通知は1度とは限らず、施工途中で下請依頼が決まった場合などはその都度発注者に通知する。
建退共掛金収納書の提出
 受注者は、建設業退職金共済制度に加入するとともに、その対象となる労働者について証紙を購入し、当該労働者の共済手帳に証紙を貼付する。
 一般的には、現場に就労予定の建退共対象労働者数と就労日数による延べ人数分を購入する必要があります。
 証紙購入状況等を把握するため、工事請負契約金額が500万円以上の場合には「建設業退職金共済証紙購入状況報告書」を工事請負契約締結後1か月以内に提出する。
 共済証紙を購入した場合は「建設業退職金共済証紙購入状況報告書」に掛金収納書を添付する。
施工体制台帳、施工体系図の提出
工事カルテの提出
 工事金額が500万円以上の場合、契約後10日(休日を除く)以内に「(財)日本建設情報総合センター」のコリンズシステム(CORINS)へ登録し、「工事カルテ」を提出します。帳票をダウンロードした後、発注機関に持参し、確認の証に監督員の署名・押印を受ける必要があります。コリンズ登録の対象となるのは、国の機関や県市町村等の地方自治体、又はNTT、電力、ガスなどの公益企業が発注する工事で、請負金額が500万円(税込)以上の場合です。
着手届の提出
 契約締結後10日以内に工事着手します。建設リサイクル法の対象工事では「分別解体等の計画書」を提出し、発注者に説明します。また、下請業者がある場合は下請業者に「通知書」の写しを添付し告知した上で「告知書」の写しを提出します。
施工計画書の提出と協議
関係機関への諸手続届出、協議
  • 道路使用許可申請書「警察署」
  • 道路使用届「消防署」
  • 特定建設作業届(騒音・振動)「市役所」
  • 農地一時転用許可申請「農業委員会」
  • 特殊車両通行許可申請「道路管理者」
  • 近隣あいさつ回り(自治会等)
前払金
 保証事業会社との保証契約を締結し発注者に請求します。国をはじめ地方公共団体などは、発注した工事の円滑、適正な施工を支援するために、工事代金の一部(通常は4割)を前払いする制度(前払金制度)を整備しています。