建設業法施行規則の一部改正(令和4年3月31日施行)

 建設業法施行規則(昭和 24 年建設省令第 14 号。以下「規則」という。)の一部改正を含む建設業法施行規則及び公共工事の前払金保証事業に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和4年国土交通省令第 19 号)が令和4年3月31日下記の通り公布及び施行されました。

                    記
(1)工事現場における書面での掲示義務の緩和(規則第 14 条の3関係)
 規則第 14 条の3第1項の規定により、施工体制台帳を作成する元請の建設業者(以下「作成建設業者」という。)は、下請負人に対し、「作成建設業者の商号又は名称」、「当該下請負人がその建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときは作成建設業者に対し再下請負通知を行わなければならない旨」及び「当該再下請負通知に係る書類を提出すべき場所」を書面により通知し、これらの事項を記載した書面を当該建設工事の現場の見やすい場所に掲示しなければならないこととされてきたところ、同項の規定による掲示については、同内容を記録した電磁的記録を当該工事現場の見やすい場所に備え置く出力装置の映像面に表示する方法により当該下請負人の閲覧に供することができることとし、書面による掲示に限らず、デジタルサイネージを含む ICT 機器を活用し、画面上に表示することを可能とした

(2)地方整備局長等が行うことのできる建設業者への立入検査等の範囲の拡大(規則第 30 条関係)
 建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第 31 条第1項及び第 41 条の規定に基づく国土交通大臣の立入検査等の権限については、これまでは建設業者の主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局長及び北海道開発局長(以下「地方整備局長等」という。)のみに委任されてきたところであるが、今般、下請取引における不適正な事案に対して、機動的かつ効果的な対応を可能とするため、これらの規定に基づく国土交通大臣の権限のうち建設業者の従たる営業所その他営業に関係のある場所(以
下「従たる営業所等」という。)に関するものについては、当該従たる営業所等の所在地を管轄する地方整備局長等もその権限を行うことができることとした。

(3)新たな企業会計基準の公表及び会社計算規則(平成 18 年法務省令第 13 号)の改正を踏まえた所要の改正(規則第 10 条第1項関係)
 建設業者は、毎事業年度終了後4月以内に許可行政庁あてに、規則に定められた様式を用いて財務諸表を提出することとされているところ、今般、有価証券報告書の提出義務がある会社にあっては、新たに企業会計基準委員会により作成された「収益認識に関する会計基準」が令和3年4月1日以後に開始される事業年度から強制適用されたこと等を踏まえ、当該様式について所要の改正を行った。

<改正された様式> 

  • 様式第二号 工事経歴書 ※記載要領のみ改正
  • 様式第十五号 貸借対照表(法人用)
  • 様式第十七号 株主資本等変動計算書
  • 様式第十七号の二 注記表
  • 様式第十九号 損益計算書(個人用)
2022年4月1日