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「技術者」と「技能者」

建設業に関する似たような言葉として「技術者」と「技能者」というものがあります。

技術者

技術者とは、施工管理を行う者であり、主任技術者や監理技術者がこれに該当します。

→ 配置技術者

専任技術者

請負契約の適正な締結や工事の履行を技術面から確保するために、常時その営業所に勤務する者をいいます。

→ 専任技術者

技能者

技能者(技能労働者)とは、建設工事の直接的な作業を行う、技能を有する労働者のことです。

技能者の高齢化に伴い、技能者の確保、とりわけ若年層の入職が建設業の喫緊の課題となっています。

こうした現状を変革するため、建設キャリアアップシステムの構築や外国人労働者の雇用の拡大が進められています。

基幹技能者

建設工事で生産性の向上を図り、品質、コスト、安全面で質の高い施工を確保するためには、現場で直接生産活動に従事する技能労働者、とりわけその中核をなす職長等の果たす役割が重要です。

基幹技能者は、熟達した作業能力と豊富な知識を持つとともに、現場をまとめ、効率的に作業を進めるためのマネジメント能力に優れた技能者で、専門工事業団体の資格認定を受けた者です。現場では、いわゆる上級職長などとして、元請の計画・管理業務に参画し、補佐することが期待されています。

原本証明について

原本証明とは

 原本証明とは、原本そのものを提出することができない場合に、原本をコピーし、その余白に原本と相違ない旨の証明をすることをいいます。建設業許可申請でも原本提示が必要な場合に、これを利用することがあります。記載は以下のようなものです。

「この写しは原本と相違ありません。
   平成〇年〇月〇日
      株式会社 〇〇
      代表取締役 〇〇 〇〇 ㊞」

証明すべき書類が一枚の場合はこれで終わりなのですが、複数枚の場合、すべてのページに上記記載をするのは大変です。そこで、ページの間に割印をすることで認められる場合や、袋とじをすることで認められる場合があります。

割印とは

 割印とは、同じ文面の文書を2つ以上作成したとき、その文書が関連のあるもの、または同一のものであるということを証明するための印です。これと似た用語として「契印」があります。契約書が2枚以上にわたる場合に、1つの文書であることを証明するために、両ページにまたがって押す印のことを契印といいます。

 実務的にはどちらも「割印」と呼ばれることが多く、原本証明で求められているのは「契印」の方です。

袋とじとは

 複数葉の紙からなる契約書や定款を綴じたものを、慣用的に「袋とじ」と呼びます。原本証明での「袋とじ」は契印の一種です。袋とじのやり方に関しては、提出先(提示先)が指示している場合があり、神奈川県の建設業許可申請の場合は特に言及していませんが、上下もきちんと綴じたものにした方が無難でしょう。

神奈川県の取扱い

 神奈川県では、平成30年4月2日申請分から電子申告した確定申告書について、原本証明をして提示することを求めています(割印、袋とじ可)。法人の確定申告書はかなりの枚数になりますので、すべてのページに上記記載をしていたのでは大変です。だから割印や袋とじが認められたのでしょう。

原本証明が必要な場合
・ 財務諸表と照合する場合
・ 経管、専技の経験や常勤の確認資料とする場合
 (一般許可の申請者が財産的基礎を確定申告書で証明しようとする場合も同様)

 なぜこのような取扱いになったかというと、電子データはデータそのものが原本という考えに基づくようです。そして、許可要件を満たすために不正なデータで申請しようとした者がいたようです。

実務経験の壁

 建設業許可を取得するに当たって、最大の難関は専任技術者の経験を実務経験で証明する場合だと思います。

 建設業許可の要件については「建設業のはなし」で詳述しておりますので、そちらをご覧ください。リンクはこちら

 許可の要件のうち、他の要件は「満たしているかいないか」なのに対し、専任技術者の実務経験については、認められるか否かは許可行政庁次第のところがあります。

 実務経験の証明者が建設業許可を有している場合は、他の要件の証明と似ているのですが、建設業許可を有していない場合は、取得しようとしている許可に該当する工事を必要年数分行っていたことを証明しなければなりません。

 証明に必要な確認資料については、許可行政庁によって差異があります。神奈川県は、確定申告書の事業種目欄で明確な場合は、それを必要年数分揃えれば認められます。事業種目欄で不明確な場合は、それに代えて工事請負契約書、工事注文書、工事請書、請求書等の写しが必要になります。

 東京都は、確定申告の事業種目欄での証明を認めておらず、工事請負契約書等での証明が必要です。神奈川県の場合は、証明する期間各年1件以上という比較的緩いものなのですが、東京都の場合は、契約書等に記載された日付から厳格に判断されます。

 例えば、東京都で10年分の実務経験を認めてもらうためには、上記書類が10年分必要になります。その量は膨大となり、段ボール等に入れて持参する場合も珍しくありません。その上で記載内容によっては取得しようとする工事の経験としては認められない場合もあります。とても高い「壁」と言えるでしょう。

 専任技術者においては、「資格が強い」。建設業許可取得に向けて、あるいは突然の専任技術者不在に向けて資格の取得を目指す(もしくは資格保持者を確保する)ことが、建設業許可の取得あるいは維持において重要と言えます。

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