経営事項審査の書類作成のポイント

経営事項審査の申請書類を自社で作成する場合、担当者が変わったりしてどのように書類を作成すべきか迷われる方もいらっしゃると思います。

そこで、書類作成上の注意点を以下にご紹介します。

  1. 手引きをしっかり読むこと
     まずはこれに尽きます。手引きは各都道府県及び国土交通省関東地方整備局のHPで閲覧できます。
  2. HPで最新情報をチェックする
     こちらは、手引きに最新情報が反映されていない場合があるため(新型コロナウイルス対応等)、各都道府県及び国土交通省関東地方整備局のHPに新しい情報がないかご確認ください。
  3. 申請書類は最新の書式ものを用意する
     経営事項審査の書式は改正によって変わります。旧書式で申請した場合、新書式を提出するよう求められます。最近の改正では、技術職員名簿やその他の審査項目(社会性等)の書式が変わっています。
  4. 申請書は「なんとなく」で記入しない
     申請書には「書き方」があります。申請書一枚目で株式会社のフリガナを記載しない、略号を用いる、計算は切捨て等、手引きを確認しながら記入してください。
  5. 前回から「変わった」点に注意する
     毎年経営事項審査を受ける場合、数字以外は前年と同じ記入をする場合もあると思います。変更届を出して代表者や営業所が変わった場合は、申請書の記載も変更する必要がありますので、前年と何が変わったのかを注意しながら記入してください。また、技術者の年齢や営業年数は更新しているかご確認ください。
  6. 審査基準日を意識する
     経営事項審査は、審査基準日(事業年度が終了した日)時点での内容を審査するものになります。許可の保有状況などは最新の状況を記入しますが、技術者の資格取得などは審査基準日後のものは認められません。
  7. 有効期限のある書類に注意する
     監理技術者資格者証及び講習受講等、有効期限が記載されている書類を提出する場合は、審査基準日時点で有効期限内であることが必要です。また、納税証明書等、取扱上発行期限を設けられている場合もあります。
  8. 取得後の実務経験年数が必要な資格がある
     技術職員名簿に資格を記入する場合、一部の資格は取得後に一定の実務経験年数を経ていることが要件になっています(第二種電気工事士等)。審査基準日時点で要件を満たさない場合は、資格として記入できませんのでご注意ください。
  9. 労働保険の保険料申告書
     雇用保険や法定外労災の確認書類として労働保険の保険料申告書を提出する場合があります。建設業は二元適用事業のため、雇用保険と労災保険は別々の申告書になります。提出した書類が雇用保険のものであるか、労災保険のものであるかをご確認ください。書類からどちらか判別できない場合、内訳を記載した計算書等が求められます。
  10. 工事経歴書に記載した工事の契約書等があるか
     経営事項審査では、工事経歴書に記載した工事について契約書等で確認します。工事経歴書に記載したものの、契約書等が提出できない場合や完成工事高の金額が一致しない場合は、工事経歴書が誤っていたものとして決算変更届を差し替える必要があります。その結果、完成工事高が変わる場合は、経営状況分析から受け直す必要があります。つまり、毎年の決算変更届の時点で契約書等を確認しながら作成する必要があるということです。
  11. 契約書等で申請業種が確認できるか
     契約書等で申請業種の工事であるか確認でない場合、申請業種の工事をしたことが確認できる書類を補正で求められます。日ごろから請求書等には、申請業種の工事であることが分かるように記載することをお勧めいたします。
  12. 完成工事高と納税額をチェックする
     完成工事高が消費税確定申告書の課税標準(①)より多い場合、工事の売上が会社全体の売上より多いことになり説明が求められます。不課税の工事の売上がある場合は、このような状態になることがあります。
     また、消費税納税証明書の納付すべき額と確定申告の差引税額(⑨)+納税額(⑳)が一致しない場合、修正申告していないかご確認ください。修正申告していないにも関わらず金額が一致しない場合は理由を求められます。
  13. 証紙等
     申請書に貼付する証紙等が指定された種類・金額であるかご確認ください。
  14. 「前回は通った」はNG
     本来審査は判断を変えるべきでないですが、書類の内容があいまいな場合、前回は通った書類でも補正にかかることがあります。単純に審査で見落とされて通ることもあります。

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