建設業法改正の動向について(国交省)

平成30年6月18日(月)に中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会基本問題小委員会において、建設業法関係の今後の方向性にについて中間とりまとめ(案)がなされました。

1 長時間労働の是正

(1) 受注者双方による適正な工期設定の推進

① 適正な工期設定に関する考え方(基準)の明確化
・ 中央建設業審議会において「工期に関する基準」を作成し、実施を勧告
→ 工期についての考え方を明確化、受発注者双方による適正な工期設定の取組を促進

② 受注者による工期ダンピングの禁止
・ 受注者は請負契約を締結するに際して、工事の準備期間、工事の種別ごとの工事着手の時期及び工事完成の時期などの工程の細目を明らかにして建設工事の「工期」を見積り

⓷ 不当に短い工期による請負契約の禁止と違反した場合の注文者への勧告制度
・ 注文者は、その注文した県sてう工事を施工するために通常必要と認められる期間に照らして著しく短い工期による請負契約を締結してはならないこととし、違反した場合の勧告制度を創設

(2) 施工時期等の標準化の推進

・施工時期等の標準化を公共工事の入札及び契約において公共発注者が取り組むべき事項として明確化

・ 標準化の取組が遅れている地方公共団体に対して、関係省庁と連携して、より実効性をもって取組を促すことのできる制度の創設

→ 地方公共団体(特に市区町村)における施工時期等の標準化の取組を一層推進

2 処遇改善(給与関係)

(1) 技能・経験にふさわしい処遇(給与)の実現

① 一定の工事において、注文者が請負人に対して一定の技能レベルを指定できる制度の創設
 工事の適正な施工の確保や品質の向上の観点から必要と認められる場合等において、注文者が請負人である建設企業に対し、一定の工種の工事の施工に必要な一定の技能レベルを指定することができる制度を検討すべき

② 施工体制台帳に記載すべき事項に、作業員名簿(当該建設工事に従事する者の氏名)を追加
 登録基幹技能者をはじめ現場で作業する技能者を施工体制台帳における記載事項とするよう検討
→ 建設業で働く人の姿を「見える化」、現場で働く技能者の誇りや処遇改善など

⓷ 技能者が建設工事を適正に実施するための知識及び技能等の向上
 建設工事に従事する者は建設工事を適正に実施するために必要な知識及び技術又はぎぎ脳の向上に努めなければならない旨の規定を検討

(2) 社会保険加入対策の一層の強化

① 社会保険に未加入の建設企業は建設業の許可・更新を認めない仕組みの構築
 下請の建設企業も含め社会保険加入を徹底するため、社会保険に未加入の建設企業は建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築

② 下請代金のうちの労務費相当分の現金払の徹底
 下請代金のうち労務費相当分(社会保険料の本人負担分を含む)については、手形ではなく現金払が徹底されるよう規範を強化

3 生産性向上(技術者制度関係)

(1) 限られた人材の効率的な活用の促進

① 主任技術者配置要件合理化のための専門工事共同施工精度(仮称)の創設
 一定の限られた工種に関して複数の専門工事企業が共同で施工する場合において、上位専門工事企業の主任技術者が行う施工管理の下で下位専門工事企業も含め適切に作業を進めていくことで適正な施工が確保できる場合には、下位専門工事企業の主任技術者の配置を不要とできる制度を創設

② 元請建設企業の技術者配置要件の合理化
 若手技術者の技術力育成を図るため、監理技術者補佐(仮称)が専任配置されている場合には、一定の条件の下、当該工事の監理技術者について他の工事等との兼務を認める仕組みを創設

(2) 仕事の効率化や手戻りの防止

・ 受注者双方が施工上のリスクに関する事前の情報共有を実施

(3) 建設工事への工場製品の一層の活用に向けた環境整備

・ プレキャストなど、工場製品に起因して建設生産物に不具合が生じた場合において、工場製品の製造者に対し原因究明、再発防止等を求めるための勧告等ができる仕組みを構築

(4) 重曹下請構造の改善に向けた環境整備

・ 専門工事共同施工制度(仮称)のほか、技術者の社員化、施工体制台帳や施工体系図による下請次数のの見える化等、発生原因に応じた様々な施策を総合的に実施

4 地域建設業の持続性確保

(1) 災害時やインフラ老朽化等に的確に対応できる入札制度の構築

・ 災害発生時における公共発注者の責務の明確化(随意契約等の適切な活用、復興係数等の導入、地域要件の適切な設定等)

(2) 建設業許可制度の見直しによる建設業の持続性確保

① 建設業許可基準における経営業務管理責任者の配置要件の見直し
 経営層の高齢化が進む地域建設業の持続性の確保につなげるため、建設業の許可基準における経営業務管理責任者の要件について廃止も含め制度の見直しを検討

② 円滑な事業承継のための建設業許可における事前審査手続の整備
・ 事業承継効力発生前等、申請までの間の事前確認手続を整備(通知により明確化)することにより、申請から許可取得までの期間を短縮する方策について検討
・ あらかじめ許可行政庁の認可等を受けることにより、事業承継の効力の発生日に自動的に権利義務を承継するような制度を検討

 

2018年6月19日

経営事項審査の再審査について(神奈川県)

平成30年4月1日より「経営事項審査 に関する 経営規模等評価の項目及び基準 」が改正されました。これに伴い、改正前の評価方法に基づく経営事項審査の結果について、再審査の申立てをすることができます。

再審査申立ての概要

  • 申立て期間は平成30年4月1日から7月29日
  • 本改正に伴う総合評定値の変化が見込まれない場合、再審査の対象とはならない。
  • 社会性等(W点)の合計値がマイナスの場合、0点から実際のマイナスの数値になった。
  • 防災協定を締結している場合、15点加点から20点加点になった。
  • 建設機械の保有状況について、1台目が1点から5点になり、台数ごとの加点が見直された(最大15点は変わらず)。
  • 一部の営業用ダンプ車が評価対象となった。
  • 再審査手数料は無料

 

2018年4月1日

「解体工事業」の新設及び経過措置(神奈川県)

1 業種区分の新設

 建設業法等の一部を改正する法律が平成26年6月4日公布され、建設業の許可に係る業種区分を見直して、解体工事業が新設されました(平成28年6月1日施行)。

2 解体工事業の新設に伴う法律上の経過措置

(1) とび・土木工事業の許可業者について

 平成28年6月1日の改正法施工日において、とび・土工工事業の許可を受けて解体工事業を営んでいる建設業者は、引き続き3年間(平成31年5月末まで)は解体工事業の許可を受けずに解体工事業を施工することができます。

(2) 経営業務の管理責任者について

 平成28年6月1日の改正法施工前のとび・土工工事業に係る経営業務管理責任者としての経験は、解体工事業に係る経営業務管理責任者の経験とみなします。

3 解体工事業の技術者要件

(1) 技術者要件に関する経過措置

 平成33年3月31日までの間は、とび・土工工事業の技術者(平成28年6月1日時点で要件を満たしているものに限る)も解体工事業の技術者とみなします(10年間の実務経験、所定学科+実務経験も含む)。

 この経過措置によって許可を取得した場合、平成33年3月31日までに、解体工事の技術者要件を満たす専任技術者への変更届を提出する必要があります。

(2) 法施工前後のとび・土工工事業及び解体工事業の実務経験年数の取り扱い

 原則として解体工事の実務経験の算出については、請負契約書等を確認して解体工事の実務経験年数を算出します。その際、一つの契約書で解体工事以外の工事もあわせて請け負っているものについても、解体工事の実務経験の証明に用いることができます。

 ただし、旧とび・土工工事業の神奈川県知事許可業者が、すでに提出している変更届出書(決算報告)に添付した工事経歴書(平成28年5月31日までに終了した事業年度分に限る。)において、明らかに解体工事を期間分行っていることができる場合は、上記と同等扱いとします(副本の表紙及び当該工事経歴書の写しを確認資料に添付し、原本提示)。

 原則、同一の者が複数業種の実務経験を証明する場合、実務経験期間の重複は認められません。ただし、平成28年5月31日までに旧とび・土工工事の許可を受けて請け負った解体工事の実績は、重複して計上することができます。

 また、平成33年3月31日までの間は、平成28年5月31日までに請け負ったとび・土工工事の実務経験(10年実務、所定学科+3年又は5年)の証明で、解体工事の技術者とみなすことができます。

4 積み上げ(加算)について

  • 経営事項審査の経過措置期間(平成28年6月1日~平成31年5月31日)に限り、平成28年6月1日の時点で、とび・土工工事業の許可を有している者が行った解体工事の完成工事高については、その者が解体工事業の許可を受けていない場合でも、建築一式工事の完成工事高に含めることができます。
  • 解体工事の完成工事高を建築一式工事に積み上げを行う場合
     解体工事の工事履歴書の添付が必要です(法施行前のとび・土工から、とび・土工を切り分けた解体工事の工事履歴書)
  • とび・土工・コンクリート工事の完成工事高の積み上げを行う場合
     新とび・土工の工事経歴書の添付が必要です(法施行前のとび・土工から、解体工事を切り分けたとび・土工の工事経歴書)

→ 完成工事高及び元請完成工事高の積み上げ(加算)について

2016年6月1日

平成26年建設業法改正の概要

1 許可に係る業種区分の見直しと「解体工事業」の新設

 「とび・土工工事業」から独立して「解体工事業」が29番目の工事業として新設されます。この改正にともなって、建設業許可事務ガイドライン(昭和47年3月8日建設省告示350号)における「建設工事の例示」及び「建設工事の区分の考え方」も変更が行われています。

2 「役員」の範囲の拡大と暴力団員等の排除の徹底

 暴力団員(暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者を含む)が、その事業活動に関して役員等と同等の支配力をもっているような場合は、それが建設業許可に係る欠格要件および取消事由に該当するように改正されました。

 建設業法(以下「法」とする)5条3号中の「役員」を「役員等」に改め、その内容を「業務を執行する社員、取締役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有すると認められる者をいう」として範囲が拡大されます。

3 許可申請書などの閲覧制度の改正

 閲覧に供すべき書類が条文の上で細分化され、法13条1号から6号まで列記されました。

4 建設業者および建設業者団体による建設工事の担い手の育成・確保に関する責務の追加

 建設業法27条の27の見出しを「施工技術の確保」から「建設工事の担い手の育成及び確保その他の施工技術の確保」にに改め、同条1項の条文中にも同様の文言が追加されました。また、同条2項中には「講習」のあとに「及び調査」を加え、建設業者のとるべき措置がいっそう具体化されました。

 建設業法27条の37では、建設業者団体の目的にかかる部分が「調査、研究、指導等」から「調査、研究、講習、指導、広報その他の」に改められました。さらに、新設された法27条の39ににおいては、建設業者団体は、その事業を行うにあたって「建設工事の担い手を育成及び確保その他の施工技術の確保に資するように努めなければならない」ことが規定されました。さらに、同条2項においては、国土交通大臣は建設業者団体が行う担い手の育成、確保などの取組みの状況を把握し、当該取組みが促進されるために必要な措置を講ずるものとするとされました。

5 その他

 法20条において、建設業者は工事の注文者から請求があった場合は、請負契約が成立するまでの間に、当該工事の見積書を「交付」しなければならないとされました。

 

2014年6月4日