建設業法
制定の経緯
戦後の復興景気は、建設業者の急増を招くと共に従来の建設業界の秩序を壊すことになりました。前払金の搾取、不正工事の施工等悪質な建設業者の増加、建設工事の請負契約に不当過大な義務を課されるなど片務性の助長となり、ひいては建設業界全体の信用に関する問題となりました。
このような背景をもとにして、建設工事の特殊性と公共性とを基礎都市、混乱と弊害の生じている建設業界の状況に鑑み、建設業法が制定されました。
改正の経緯
- 昭和28年
- 適用建設工事の追加(板金・とび)
- 欠格要件の強化、専任技術者の登録要件化
- 昭和35年
- 技術者の資格要件を「建設大臣が指定したものを受けた者」に限定
- 昭和36年
- 工事の種類ごとの技術者設置を登録要件に追加
建設業者の経営に関する客観的事項の審査制度創設 - 昭和46年
- 許可制度の採用
特定建設業の許可制度採用
監理技術者制度の整備
経営事項審査制度の整備 - 昭和62年
- 特定建設業の許可基準の改正
監理技術者制度の整備(指定建設業に係る技術者を国家資格者とし、指定建設業監理技術者資格者証制度の導入) - 平成6年
- 許可要件の強化
施工体制台帳の整備
監理技術者の専任制の徹底等(監理技術者資格者証を28業種に拡大)
帳簿の備付けの義務化 - 平成18年
- 「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法などの一部改正する法律」改正に伴う改正(工事目的物の瑕疵担保責任又は瑕疵担保責任井関する保証等の措置があった場合の請負契約書への記載義務)
「建築士法等の一部を改正する法律」による改正(一括下請条項の強化) - 平成19年
- 「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」による改正
- 平成26年
- 「公共工事の品質確保の促進に関する法律」「入札契約適正化法」の改正に伴う改正(建設工事の担い手の育成確保、業種区分を見直し解体工事業を新設、建設業の許可等についての暴力団排除条項を整備)
- 平成28年
- 監理技術者の配置及び技術者の専任義務についての基準金額の改正(建設業法施行令)
適用範囲
本法は、建設工事(土木建築に関する工事で法の別表第1の上欄に掲げるもの)の完成を請け負うことを営業とする者に適用される。
この建設工事の完成を請け負う営業を本法においては「建設業」という概念で捉え、建設業には、単に発注者から建設工事を請け負って営業することのみならず、建設工事の下請契約に基づき、建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者からその建設工事の全部又は一部を下請負して営業することも当然に含まれることとされている(2条)。
なお、昭和46年の「建設業法の一部を改正する法律」による改正前の建設業法においては、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者等は、原則として本法の適用外とされていたが、同法による改正後における本法においては、軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者も建設業の許可の適用を除外されることを除き、原則として本法の対象とすることに改められている。
コンメンタール
第1章 総則
第2章 建設業の許可
第1節 通則 第2節 一般建設業の許可第14条(国土交通省令への委任)
第3節 特定建設業の許可 第4節 承継 【令和2年10月1日改正】第3章 建設工事の請負契約
第1節 通則第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)
第19条の4(不当な使用資材等の購入強制の禁止)
第2節 元請負人の義務第3章の2 建設工事の請負契約に関する紛争の処理
第4章 施工技術の確保
第4章の2 建設業者の経営に関する事項の審査等
第4章の3 建設業者団体
第5章 監督
第6章 中央建設業審議会等
第7章 雑則
第41条(建設業を営む者及び建設業者団体に対する指導、助言及び勧告)
第43条(都道府県の費用負担)
第44条(参考人の費用請求権)
第44条の2(経過措置)
第44条の3(権限の委任)
第8章 罰則
建設業法令遵守ガイドライン「国土交通省ホームページ」